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体表腫瘤・皮下腫瘤切除(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは、14歳のビーグルの女の子です。

脇のしたあたりに大きなしこりがある事に気が付き、高齢で手術する事をあきらめていたそうですが、だんだんと大きくなり何とかならないかと岐阜県からご来院されました。

以前にも乳腺癌や、体表腫瘤の手術をしたことがあるそうですが、今回はレーザー手術を希望され、ご来院されました。

診察させていただくと、右脇の中に8cmの大きな腫瘍ができており、固着している様子でした。皮膚の下に腫瘍が増殖していて硬くなっていました。

また顎下の腫瘤も以前他院にてとっていただいたそうですが、また大きくなってきたので、同時に切除を希望されました。

脇の腫瘍は切開してみると、やはりがっちりと筋肉に固着してしまっており腋下の血管やリンパ節に癒着していました。

脇の下はとにかく大きな血管や神経がはしっていますので太い血管を傷つけないよう少しずつ腫瘍を剥離しました。

高齢であり、オーナー様も心配されていましたがレーザーを用いる事により出血を最小限に抑え短時間で手術を終える事ができました。

また顎下の腫瘍もきれいに切除する事ができました。

こちらが摘出した脇の腫瘍です。

そししてこちらが手術直後の傷の様子です。

御覧の通り、出血や腫れもなくとてもきれいです。

しかし場所が脇の下ということで、常に動く場所なのでツッパリ感や違和感があると思いますが、徐々に皮膚が馴染み抜糸する頃には違和感もなくなってくれることと思います。

お父さんがお迎えにみえると、自分で起き上がり、お父さんのもとへかけよりました。

とってもおっとりとした、お父さん大好きなビーグルちゃんです。

これからも元気に長生きしてもらいたいと思います。

追記:病理検査の結果、脇の腫瘍は乳腺導管癌で低悪性との結果でした。今回完全切除でしたので

ひとまず経過観察となります。下顎の腫瘍については形質細胞腫との診断でした。切除後再発のリスクも

ありますので、今後は抗がん剤や放射線による補助治療が推奨されますが、飼い主様と相談しながら

経過をみていきたいと思います。