上顎の口腔内腫瘍(悪性黒色腫)切除のレーザー手術をうけられた15歳ミニチュアダックスフンドの男の子
今回紹介させていただくのは、上顎の口腔内腫瘍切除のレーザー手術をうけられた15歳ミニチュアダックスフンドの男の子です。
2か月前から口の中に腫瘍ができて腫れがひどい、呼吸が苦しそう、膿や血が混じった鼻水が出る。くしゃみがひどい、食欲が落ちてきてご飯がたべれないとご来院されました。
薬はもらっているが、現状維持で見ているだけとのことで手術を希望されご来院されました。
こちらが手術前の写真です。腫瘍が大きくなって張り出てきています。
麻酔をかけて診察させていただくと、鼻腔内全域に腫瘍が大きく浸潤していて上顎の半分以上を切除するおおがかりな手術となりました。腫瘍は骨にまで浸潤していました。
レーザーを用いてなるべく出血をおさえ、手術を行いました。飼い主様が迎えにみえると、元気にすり寄って尻尾をふってました。
翌日からは通院に切り替え、気分良く元気に歩いています。
飼い主様も大きく腫瘍を切除した割に思ったほど顔の変形もなく安心されていました。
今後は腫瘍の再発に要注意が必要です。
病理検査の結果は悪性腫瘍の悪性黒色腫でした。
腫瘍はかなり大きかったですが、かなり大きく手術で切除したので、幸運なことに完全切除できているといううれしい報告でした。しかしこの腫瘍は再発率や遠隔転移のおこりやすい腫瘍ですので、慎重に経過観察が必要となります。
手術後 大きな顔の変形もなく無事に終わりました。