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会陰ヘルニア整復・去勢手術・結腸固定・肛門部腫瘤切除(肛門周囲腺上皮腫)(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは、14才のトイプードルの男の子です。

肛門周囲に発生した腫瘤病変の切除を希望されご来院されました。また以前より便がでにくいそうです。

診察させていただくと、病変は直腸粘膜の際まで増大し自壊していて、腫瘍からたえず出血していて、おしりにパッドをあてていました。

それと同時に右側のみ会陰ヘルニアをおこしていて、前立腺と腸がおしりに飛び出している状態でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬の場合、肛門周囲に腫瘍が発生する事は特に未去勢の雄の場合割と多くみられますが、デリケートな場所であるため排便障害を出さずに切除手術をするには高度なテクニックが必要となります。

またこの患者さんは会陰ヘルニアを併発していたため、同時に整復手術を実施する事になりました。

会陰ヘルニアとは会陰部の中で脱腸を起こしている状態ですので便が毎日出づらくQOL低下になります。

会陰部のヘルニア孔に医療用のメッシュを埋め込んで整復を行いました。今回は結腸固定といって、腸を腹壁に固定する事で脱腸予防策を併用しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

術後の傷も御覧の通りとてもキレイです。心配されていた肛門まわりの感染もなく順調に自力で便が出せるようになってきています。

食欲もあり飼い主様も安心された様子でした。

腫瘍は大きかったですが、病理検査の結果は肛門周囲腺上皮腫という肛門周囲腺から生じる腫瘍でした。

これからも元気に長生きしていただければと思います。