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乳腺腫瘍・避妊手術・重度歯周病による抜歯・歯石取り(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは、13歳のミニチュアダックスフンドの女の子です。

1年ほど前にお乳にしこりがある事に気づき様子をみていたそうですが、みるみるうちに大きくなってしまい、大人の手でもあまるほどになってしまったそうです。

また表面が裂けて中から液がでてきてしまっており、腫瘍がすでに壊死しているような状態でした。また歯石がひどく口が痛いようで食欲もなくなってしまっているとの事でご来院されました。

ご来院ただいた時はすでにかなりの大きさになってしまっており、重みで垂れ下がりそのままでは歩く事もままならないような状態でやせほそっていました。

また腫瘍の一部が裂けてしまっており、液が漏れだし匂いもありました。

歯石もひどく、歯がみえないほど歯石ががっちりとついてしまっており歯根尖膿瘍の状態で頬も腫れてしまっていました。
飼い主様もなんとかしてあげたいと思っていたそうですが、以前に飼っていたワンちゃんが、ほかの病院で麻酔で亡くなってしまったことから、麻酔をかけることをとても不安に思われていました。

こちちらがご来院時の写真です。

手術前に血液検査を行ったところ、感染の為白血球の値も高く赤血球の割合が14.5%(正常だと40から55%)と輸血が必要なほど重度な貧血状態に陥っており、体調的にも危ない状態でした。

かなりのリスクはありましたが、裂けてしまっている腫瘍をこのまま放置しておく事もできず体調も悪くなる一方でしたので、同居犬の子に輸血をしてもらう事にし、手術を行う事になりました。また、大きな乳腺腫瘍のできている反対側の乳腺にもしこりがあり、2回麻酔をかける負担を減らすため今回同時に切除となり、歯の疾患も重度であった為、腫瘍をとっても、食事をとることが出来ないので、歯の治療も同時に行いました。

高齢であり、重度の貧血や巨大な腫瘍など、大変な手術となりましたが、スタッフ一同力をあわせなんとかレーザーで出血や腫れ、痛みを最小限に抑え、歯石取り、抜歯を終わらせ、日帰りで手術する事ができました。

飼い主様もお迎えにいらっしゃった時自分からかけよっていく姿をみて本当にほっとされていました。

こちらが手術後の写真です。

赤みや腫れ、出血もなくとてもキレイです。手術前の体重が4.9キロでしたが、腫瘍が1キロもあり、術後は3.9キロでした。

翌日から自分でお水やご飯も口にする事ができ、オーナー様も安心された様子でした。

これからも病気に負けず元気に長生きしてもらいたいと思います。